高校生クイズ関係のブログなどでこれを書いている人を見かけないのですが、今年はオープニングで、第1回から使われていた伝統の曲が復活しました(「ハリウッド」と「ハリウッド」の間に使われていた曲)。映画「THE AMERICAN GAME」で使われた「A Dream Of Victory」という曲らしいですが(これでその前にレイモン・ルフェーブル「北海道シンフォニー」の中の曲があれば完璧)、これはまさにスタッフが原点回帰を考えていたということでしょう。
その割には今年の番組の評判がいまひとつということで、今回は多く指摘されていることについて考えてみたいと思います。目立つ反響は、1回戦で落としすぎというものと、カヌーのクイズの判定基準がわからないというもの、それから浦和対ラ・サールにするために操作したのではないかというものです。
これは全部同じところに元凶があります。クイズをやりすぎたために、編集したらああなってしまったということです。
過去、1回戦で最も多く落としたのは私が出たときで、なんと49チームからいきなり8チームです。私はこれを聞いて、自分が勝つ勝たない以前に、今年から県別代表制にしても各県のチームをろくに紹介する気がないのならそんなことやめろと思ったのでした。
全国大会の1回戦があの手のルールで勝ち抜けが15チームという場合、実は収録に数時間かかっていると思ってください。だから実際は、どのチームも何回もチャンスがあって、負けても、これだけクイズをやった結果なら十分という気になります。もしそのまま30チーム勝ち抜けなどにすると、おそらく1日中かかるでしょう。それを十数分に編集するから、おもしろいところは全部なくなって、敗者を全然紹介できなくなります。
だからといって、いきなりそんなに減らしていいかというと、後とのバランスを考えると私もそう思いません。ただ、どちらにしろ全体のクイズが多すぎるので、結局多くのチームを紹介できないことになると思いますが。
カヌーとお絵描き伝言はともに評判が悪いですね。あれも現場では当然、きっちりした勝者判定のルールがあります。お絵描きは全チームが1回ずつやってちょうど勝者が3チームになるとは思えませんから、実際は別のクイズを組み合わせていることが想像できます(お絵描きを複数回と三択をやったらしい)。また、どう見てもできるわけがないジョン・レノンの問題が出たのも、おそらく解答者が自分で問題番号を選んでいるのだと思います。これも、収録のときはきっちりやっていても放送時間がないからどんどんはしょって、結果としていい加減なことをやっているように見えるわけです。テレビを作っている側の人はそれを何とも思っていないのですが、現代の視聴者の感覚とずれていることに気づいていないのです。
お絵描きを編集した結果、浦和を残すために番組側が操作したという疑惑が飛び交っているわけです。実際、私がこの番組を現場で見ていて、そのような操作はありません(10年前の一部の運大王を除いて)。結果的にラ・サールが決勝で浦和を倒したので、そこから逆算して番組全体の編集があのように偏重したものになってしまったわけです。これも、クイズをやりすぎたので、ごく一部のチームしか取り上げる余裕がなくなったのでしょう。
日本テレビで「メディア・マガジン」という、メディア自体について考える番組が不定期に放送されていますが、元ウルトラクイズプロデューサーの視聴率買収事件の直後に放送された回で、ある研究者が、日本人の7割だか8割はテレビで放送していることはウソだと思っているという調査結果に何気なく言及したところ、司会の福澤が本気で驚いていました。一瞬しか表示されなかったので具体的な出典を記録できなかったのですが、テレビを作る人と視聴者の感覚がそこまで乖離しているということでしょう。それを考えて高校生クイズをつくらないと、やらずもがなの悪評になってしまいます。
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