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2015年4月29日 (水)

学歴ロンダリング

 ヤフートピックスのトップに「お嬢様芸人 東大大学院に合格」という見出しがありました。内容を読むと、これはクイズ界で今後、トレンドになるかもしれないので書いておきます。

――――(ここから)――――

“お嬢さま芸人”たかまつなな東大大学院合格「フリップ芸できる池上彰目指す」
スポニチアネックス 4月28日(火)14時3分配信
 お笑いタレントのたかまつなな(21)が28日、自身の公式ブログを更新。東京大学受験に合格し、今春から通学していることを報告した。
(中略)
 この日のエントリーでは「東京大学に合格いたしましたの!4月より、私たかまつなな 東京大学大学院情報学環教育部に通っております」とコメント。「中学2年生の時に抱いた夢である“お笑いを通して社会問題を発信する”お笑いジャーナリストを目指して、ジャーナリズムについて東大では勉強しております」と説明した。

 慶応大学にも在学しており、当面は「Wスクールざます」。学業とお笑いの2足のわらじをはきながら「フリップ芸のできる池上彰さまを目指し、頑張りますわよ」と力強くつづっている。

――――(ここまで)――――

 おそらく今夜のナイナイアンサーで発表するのでその前に書いたのでしょう。大学院情報学環教育部は、かつては新聞研究所教育部といい、その後、社会情報研究所教育部に名前が変わりました。そして情報学環という大学院ができたとき、ここに吸収されて大学院の組織になりました。
 学歴ロンダリングにここまで適した組織はありません。実際、ある経済評論家は、ここを出てから著書に東大卒と書きまくっています。吉田たかよしの「東大4回卒業」のうちの1回はここです。今や、「東大の大学院を出た」と言っても文句をつけられないようになっています。

――――(ここから)――――

 東京大学大学院情報学環教育部は、大学院の中に学部生、社会人問わず学ぶ第二専攻として用意されている教育機関で、定員は1学年約30人。情報社会論、メディア・ジャーナリズム論、情報技術論、情報産業論などの科目が開講されている。OBには読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆でプロ野球・巨人の最高顧問の渡辺恒雄氏(88)、ニュースキャスターの草野仁氏(71)、NHKの小野文恵アナウンサー(47)らがいる。

――――(ここまで)――――

 この説明は間違っていません。東大生が学部に所属しながらここにも所属できるようになっているほか、社会人も他大学の学生も所属できます。「スッキリ!」や「ミヤネ屋」でニュースを読んでいる岸田雪子記者は早稲田に在学しながら来ていました。現役東大生は授業料がタダです。

 何が学歴ロンダリングなのか。入学試験は私が所属したころから変わっていないと思うのですが、筆記試験は、「天皇の人間宣言について書け」のような、ある用語があってそれについて知識や意見を述べる問題が何問かあって、その中で自分が答えられる問題を数問選択します。普段から社会問題に関心を持っていなければいけませんが、この試験のために猛勉強するような性質のものではありません。つまり東大の通常の入学試験に合格するような学力がなくても、誰でも合格できる可能性があります。競争率もそんなに高くありません。次に面接がありますが、これは入学しても絶対勉強しなさそうなヤツを排除するような性質のものです(東大生は授業料がかからないので)。
 私のいたころは、講義に出ているのは数人でした。大半の講義が成績はリポート提出でつけますから、出席しなくても単位を取ることが可能です。それでも2年間で修了までたどり着く人は毎年数人ぐらいでした。

 つまり、東大レベルでないそれほど難しくない試験で誰でも入れて、しかも講義に全然出なくても修了できて(今はどうかわからんが)、東大大学院修了と言っても文句をつけられない肩書きが得られる。これにみんなが気づいたら、クイズに出るようなタレントが大挙して押し寄せるかもしれません。「広辞苑十段」のときと同じものを感じます。なお、記事の最後のOBにはうんぬんの部分は明らかに、私がかつてウィキペディアの新聞研究所の項目に書いたことをそのまま使っています。

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