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2010年9月 4日 (土)

東大の価値

 かつて私のことを「天才ハッカー」と書いた「週刊現代」ですが、今年の初めに「『東大までの人』と『東大からの人』」という大特集が2回にわたって掲載されました。東大卒で完璧なキャリアの人を何人か紹介して、一方で東大についていけずドロップアウトした人を匿名で取り上げています。結論として、東大にふさわしくない人が東大に入っても不幸になるということのようです。勉強していないのに後期でたまたま入ってしまうとか、地方の進学校でない高校からたまたま入ってしまうとか、「東大入試のための技術」だけを身につけて入ってしまった人を指しています。
 いろんな東大出身者の話がずらずらと並んでいるだけで、そりゃ人生いろいろあるだろうという感想しか持ちませんでした。あとは、理系は進振りが大変だとかオーバードクターの問題とか、東大生の教養がいかに落ちているかといった話です。

 一方、こういう本も読みました。

 どういう内容かというと、東大の入試問題は他の大学とは本質的に違うという説明です。よそはコツコツ勉強して知識を積み上げればできるような問題が出るが、東大入試は世の中に対する見方が問われるのです。なぜそういう問題が出るのかというところを、東大は明治に官僚養成のためにできたといった本質のところから説明しているのがこの本です。東大の目的に合った生徒を入れるような問題を出しているということです(ちなみに東大以外の大学は、成績上位者ほど他の大学に逃げるので、自分の取りたい学生を選ぶための入試問題を作っても意味がないとも書いてある)。合格するためには、今はやりの「東大脳」にしないとだめだと書いてあります。実際、東大の入試問題の方が他の大学より簡単じゃないかと思うことはよくあります。山田雅人のようにがむしゃらに知識を詰め込んでいるだけではかえって答えられないのでしょうか。
 全体の感想ですが、東大を受験しようという人には勧めません。東大入試を東大の歴史的な本質から解き明かす観点はいいのですが、それでどうするというと、よくわかりません。結果として、東大の立場から他の大学をバカにするような雰囲気と、自分が東大に現役合格したことを自慢するような言説だけが浮かび上がってくるのです。さらに、島田裕巳は理系のことはまったく知らないらしく、理系の試験についてはあいまいにしたままごまかしています。
 なお、東大に入ったからといって幸せになるわけではないことは、筆者も繰り返し書いています。東大を出たら東大を一生背負うというだけです。

 昨夜放送されたクイズ番組では、オープニングでいきなり、前回優勝チームのメンバーは京大に入って、準優勝チームの2人は東大理3に入って、この番組がいかにレベルの高いものであるかが証明されたと言っていました。他にも、今回の優勝チームをはじめ、志望校は東大とテレビで言わせ続けていましたが、東大に入ることが知力の頂点にあるという基準になり得るのか? そのくせ、東大生が知らない問題を高校生はこれだけ答えられると言い続けていました。あの全国大会に出る問題を知っていることが、幸せに生きるとか社会に貢献するとかいう意味で賞賛されるべきものなのか。まあ、その知識を習得する方法を自分で見つけ出すことには意味があるように思いますが。
 東大に入ることが人生の成功のすべてであるような番組作りは怖いと感じました。東大に入ることはその時点での過程であって、世の中にはいろいろな運などがあって、どんな不幸に陥るかわかりません。これは私が言うと非常に説得力があると思います。

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