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2008年9月 6日 (土)

高校生クイズの歴史

 訂正です。昨年の全国大会の準々決勝で、実際は最初に抜けたチームと最後に抜けたチームしかヘリコプターに乗っていないと書きましたが、残りのチームにも収録後にヘリコプターの体験をさせたそうです。

 それでは17回高校生クイズについて書きます。
 高校生クイズの歴史には2回の大転換がありました。なんとなく低迷している状況を打破するために、思い切って番組のコンセプトを変えた回です。それが17回と23回であることはいうまでもありません。いずれも、スタッフを大幅に入れ替えるとともに、高校生クイズが基本的に知識で争うというのをやめて、運などの要素を大幅に重視して、頭の悪いチームでも勝ち残れるようにしようとしたものです。
 17回の企画段階では、番組名は「高校生クイズ」だが実際はクイズをやらないという案だったと聞いています。つまり全部、くじ運みたいなことで決めようというわけです。それが結局、最終的にどうするかがずっと煮詰まらず、非常に中途半端な状態で番組制作に突入したために、ボロボロの回になったのでした。YES-NOクイズが5問限定だったのは、実際は単に問題が用意できなかったからだと思います。予選の準決勝も、いかに問題を楽に作って消費数を減らすかということを考えたルールでした。全国放送の編集は16回をそのまままねたため、なんとなく見られる番組になっていますが、スタッフ全員が、これが最終回と思いながら番組を作っている状態だったそうです。

 23回もこれとそっくりです。このときは17回のような中途半端ではなく、本当に運でしか勝てないようなルールにしました。各予選で1チームを除いては、知力を使わない関門で勝ち残らないと決勝のクイズができないようにしたのです。この回は、キャラクターのある高校生を見せるという目的がはっきりしています。しかし全国放送の番組では、これまた普通にクイズをやったように偽る編集になっていました。そして優勝したのは、史上初、地区予選に行かないでネットでのまともなクイズで勝ったチームです(最近、そういう回があったような)。地区予選で勝ったチームは一つも決勝に残りませんでした。

 さて、17回も23回も、評判が悪くて失敗に終わります。それで、次の回は元のスタッフが戻ってきます。そして、前回の枠組みを踏まえた上で、路線を戻すようにするのです。例えば18回は運大王がありましたが、外見ではなく本当に運で選ぶルールにします。そして運大王の存在を放送上は完全に消すことで、その次の回での廃止にもっていきます。24回も、予選が6地区しかないとか、パワーだのバランスだので選ぶところは同じですが、基本的にクイズのできないチームはパワーやバランスのゲームに挑戦できないようなルールに変わりました。その次の回からは県別代表制に戻って、「クイズで激ナツ」というキャッチフレーズで、本格的にクイズをやることが宣言されました。

 17回の後遺症は、その後、回を重ねてかなり回復しました。17回の最終形は結局、それまでの回と同じようにクイズをやる番組になって(問題制作態勢ができていないとはいえ)、外見で選ばれるチームは最後までクイズのチームと分離していたので、番組的な傷は浅かったといえるかもしれません。
 ところが、23、24回をはさむと参加者数も視聴率も急降下です。高校生クイズの予選に行って、腕立て伏せを何百回やるとか歩数計をつけて走るとかで勝ち残らないとクイズをやらせてもらえないというのでは、出る気もなくすでしょう。あと、阪神が優勝したことを知らないとか神田川俊郎に「道場さん」と言うとかでバカにするので決勝進出チームを決めるというのでは、どこがクイズ番組だということになります。
 これを何とか元に戻すために、スタッフは必死になっているのだと思います。高校生が体験することでの感動を伝えようと膨大な予算を使って北海道と京都での3人バラバラクイズをやるとか。そして、頭が悪いチームを残す23、24回へのアンチテーゼとして、次第に特定の進学校を強調して取り上げる傾向が強まってきます。

 で、それでも視聴率と参加者数が下がる一方なので、どんどん強い劇薬に手を出していった結果が、28回の全国大会ではないかと思います。完全に割り切って、今回は超有名進学校以外は相手にしないことにして、ものすごく難しい問題を解かせることだけを見せようというわけです。東大へ入れなければ人生の価値がないかのような番組編集には恐れ入りました。全国高等学校クイズ選手権とは別の、高校生のクイズ番組としてなら、こういうのを作るのは十分ありではないでしょうか。
 ただ、これを見て、普通の中高生は、来年出ようとは思わないでしょう。テレビの前で恥をかくだけだし。「オレがあのレベルに勝つ」というような意欲のある人だけだと、参加者はさらに激減です。番組側が来年になって、「28回のような企画をやるのではないから出て」というわけにもいきません。視聴率が低いからという理由ではこの番組は終わらないと思いますが、来年はどうやって開催にこぎつけるんでしょうね。地区予選がなくなって、インターネットのみになるのかな。

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コメント

>ただ、これを見て、普通の中高生は、来年出ようとは思わないでしょう。テレビの前で恥をかくだけだし。

今年は「恥をかく」ことすらもさせなかった(できなかった?)のではないかと思いますが。これが番組側の配慮だったと言えなくもないような気もします。とりあえず、負けた高校生が十分納得のいく形式だったとは思いますが。

しかし、「知力・体力・絆」を番組開始5分で斬って捨てたのには私も驚かされました。

でも、(17回擁護ではないですが)17回が地区大会から「運でも全国に行ける」ことを前面に押し出していたのに対して、今回は予選(事前番組含む)では今まで通りにやっているかのように思わせて全国でそれを思いっきりひっくり返したわけで(もちろん上位校はこのブログや、そのほかの情報で感づいていたと思うのですが)、ある意味たちが悪かったのかな、とは思います。

来年の参加者は相当減るでしょうね。おそらく地区大会は6地区くらいに削減され、ネット予選枠が拡大するのではないかと、個人的には思っています。

しかし、ネット予選をやると必ずそこから優勝チームが出るというのでは、なんのために13地区も回ってやっているんだろうと(笑)

投稿: C-YAN | 2008年9月 6日 (土) 02時40分

鳥取西です。

進学校という事では、米子東と二分されている学校になってますが、あーゆー展開になってしまうと、仮に全国大会に参加出来たとしても辛いですよ。
それこそ「学年トップ」が代表にならないと(苦笑)


今大会に於いて、個人的に好感が持てたのは
「間違えても即敗退にならない○×クイズ」でした。
上を狙っている学校も、思い出作りに来た学校も 満足して帰れたみたいですし…。

投稿: 平 | 2008年9月 6日 (土) 03時37分

いやいや

あれで満足なんてあり得ませんよ
実際参加者もブログで不満をぶちまけてます。
正直参加者も視聴者にとっても最悪の大会だったと思います

あの手のタイプの問題は地方公立の学生さんには手も足も出ません
番組側も最初から地方の高校をきって捨てるつもりだったのでしょう。

投稿: k | 2008年9月 6日 (土) 04時17分

私もあれは「全国高等学校クイズ選手権」ではなかった。なにより敗者に照準があっていない。1回戦の敗者はラ・サールしか印象に残っていませんし。
今年は「高校生クイズ」というより、オープン大会に出る事項に詳しい人「TVチャンピオン」や「カルトQ」。

他の高校に知り合いがいるので、映ることを楽しみに見ていたのですが、校名以外全く出ていないなんて…惨(むご)すぎます。せめてオープニングだけでも映して欲しかった。

ただ、高校生クイズに思い入れがなく過去の高クイを覚えていなければ、それなりに見れたかもしれません。コンセプト(凄さを見せ誤答は極力見せない)は余りにもはっきりしているし。よく見る芸能人も箸休め的に出ているし。

投稿: 天津飯 | 2008年9月 6日 (土) 14時44分

今年は24回の対極でしたね。
来年は参加者がかなり減るでしょう。

個人的に地区大会をほぼ無視するのはいただけなかったですね。
28回、地方局からどう思われてるんでしょうか。

・・・地方大会ってやる意味あるの?

投稿: | 2008年9月 6日 (土) 15時11分

めちゃめちゃひどいクイズ大会でした。
まず、高校生クイズのスローガンの
「知力、体力、チームワーク、時の運」を
無視した高校生クイズのないようでした。
去年までは、個人的に応援したい高校生がいて、
その人たちが勝ち抜けたり、敗退したら、
視聴者とともにないたり、感動したり、応援をしていましたが、
今年は、高校生クイズオタクショーを見て、
気持ち悪くなってしまいました。
来年こそは、原点に戻り、純粋な高校生クイズのコンセプトを見せてください。
これじゃ中学生が
「来年は、高校生なので高校生クイズに参加しよう」という考えがもてなくなりそうでした。

投稿: はるこ | 2008年9月 7日 (日) 10時08分

私は実際に28回大会に出場したのですが、
1回戦で、これは有名進学校の為の番組という事が分かる内容でした。
今年は、参加者を集める為にお笑い芸人を
派遣するそうですが、やはり、去年の衝撃が
大きすぎて、参加者の減少は否めないと思います。
今年も、去年みたいな番組だったら、終わりですね。

投稿: thomas | 2009年6月 7日 (日) 11時55分

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