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2006年11月21日 (火)

超魔術の嘘

 ガッツポーズの語源については、ちょうど1年前の昨年11月21日の文章で書いています。ガッツ石松が1974年にチャンピオンになってマスコミでガッツポーズと称されるようになる前から、ボウリング雑誌「ガッツボウル」に、読者のガッツポーズの写真を載せるというコーナーがあったそうです。

 さて、書店で「Mr.マリック超魔術の嘘」という本を見つけました。

 同じタイトルの本が十数年前に出ていたはずだが、と思って中を見たら、完全にその本の復刻です。最初にこの本が出たときは、マリックがメディアと一体となって、超能力のように印象づける演出をしていた最中なので、この本を出す意味はありましたが、現在の、マリックがマジックのタネを公開しまくっているときにこんな本を出して何になるのか。
 さっきNHKでやっていた「プレミアム10」では、マリックがユリ・ゲラーに出会って、いかにも超能力であるかのように見せる演出に感心して、自分のマジックにもそれを取り入れたということをやっていました。つまり最初から超能力と称して手品をやるということを公言しているわけです。しかしマリックブームの最中にはNHKでさえ、マリックが超魔術を見せて森中アナウンサーが超能力についての説明をするというのを交互にやる番組を放送していました。NHKが超能力を説明する放送をすること自体が異常なのに、マリックと超能力を結びつけるような演出をしていたのです。
 アマゾンのレビューで、この本を2005年に読んだ人が、マリックに超能力があるなんて誰も最初から思っていないのに、こんなタネを明かす無粋なことをする本などといった批判をしていますが、これは出版当時の社会情勢を知らない人です。あのころは本当に、超能力について真剣に語られたのです。

 私が当時読んで最も感心したのはスプーン曲げのタネです。材質や形状の関係で、誰でも押せば曲がるスプーンというのが最初からあって、それを見つけたマリックが仕入れている問屋を筆者が突き止めたということが書いてあります。マジックとは細かい仕掛けをするだけでなく、もっと大局的に物事を考えるということです。
 ところでなぜ、私が当時、この本を読もうと思ったのか。それは本の帯に「福留アナ(日本テレビ)はサクラだ」という、私が考えていたのと同じことが書いてあったからです。具体的には、仕掛けがある札(札自体を加工しているわけではないが、その番号の札を使わなければマジックができない)を、福留が「僕のお札ですよ」などと言いながら渡して「僕のお札に何をするんですか」と、事前に渡された札であることを隠して演技しているというのです。つまり、放送局側がグルになれば不思議な現象はいくらでも作り出せるということを批判しているのです。
 なお、この続編を読むと、福留自身はトリックを知っていたわけではなく、事前にスタッフから、「きれいなお札で撮影したいのでこれを渡してください」と言われていただけだということがわかったと書いてありました。でも続編は復刻されないでしょうから、新たな読者には「福留は悪いことをやってるんだなー」という印象だけが残るでしょうか。

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